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法律関係の仕事は専門性が高く、就職や独立開業に有利で、高額の所得が期待できる仕事もあります。ただし、多くは司法・法務の資格が必要で、難易度が高いものが多く、取得するにはかなりの努力が必要です。代表的な法律関係の資格について概要をご紹介します。
弁護士や検察官になるために必要な国家試験で、平成14年度から法科大学院の課程修了が受験資格となっています。検察官は法務省に勤務する公務員ですが、弁護士は弁護士事務所に勤務するか、または独立開業が可能です。
また、専門知識を活かして官公庁や地方自治体の公務員や、議員の政策秘書、企業内弁護士となることもできます。司法試験は短答式と論文式の2つがあり、合格率は新制度になってから下降しており、約22~23%です。
法律の専門知識を活かし、法律のアドバイスを行う司法書士は、法務省が実施する国家資格が必要で、独立開業が可能です。司法書士の代表的な業務は不動産登記や、会社設立時の商業登記です。他にも簡易裁判で訴訟代理や成年後見などさまざまな仕事があります。
司法書士の受験資格は学歴や年齢制限がなく、筆記試験と口述試験で行われます。誰でも受験できますが、合格率は約2~3%と難易度が高く、予備校に通って受験する人が多いです。
官公署に提出する書類作成や申請を代行する行政書士は、総務省が実施する国家資格が必要で、独立開業が可能です。行政書士の主な業務は、契約書や営業許可手続き、遺言書など書類作成業務、許認可申請の代理、相談業務です。
行政書士の受験資格は特に設けておらず、必要な法令等、一般知識等の筆記試験で行われます。誰でも受験できますが、合格率は約5~9%と司法書士より若干高い程度で、難易度は高いです。予備校や通信教育を利用して受験する人が多いです。
知的所有権などの出願や管理、相談など知的財産などに関する専門家で、特許事務所に勤務するケースが多いです。特許や実用新案などの出願業務、知的財産権に関する紛争処理業務、取引関連業務などが主な業務です。
国家資格が必要で受験資格は特になく、短答式、論文式、口述試験が実施されます。合格率は約6%と、司法書士や司法試験に次いで難易度が高くなっています。特許事務所に見習いで勤務しながら、学校に通い、何年も要して合格を目指す人も少なくありません。
通関士は輸出入手続きを行う専門家で、通関業者や海運・航空・倉庫・物流関連企業、商社・メーカーなどで仕事をしています。貿易実務検定🄬は貿易実務のスキル検定で、勤務年数ごとにレベルに応じた検定合格が必須となっている商社やメーカーもあります。
通関士の受験資格はなく、五肢択一マークシート方式。貿易実務検定🄬も受験資格はありませんが、スキルに応じてA~C級の試験があります。通関士の合格率は約21%とやや難易度が高めで、貿易実務検定🄬はレベルにより約31~54%です。
ビジネスで必要になる法務業務を行なうための知識レベルを測る試験で、東京商工会議所が実施します。法律実務の基礎知識として、多くの企業が新入社員や管理職の昇格試験に採用しています。転職や就職などの際にも有利になる資格の一つとされます。
1級から3級まであり、2~3級に受験資格はありませんが、1級は申し込みの際に2級に合格している必要があります。合格率は3級が約69%、2級は約39%、1級は約10%です。
知的財産(著作物、発明、意匠、商標、営業秘密など)についての知識・技能レベルを測る試験で、国家資格です。検定合格後は知的財産管理技能士として業務を行なうことができます。知的財産を活用する際のライセンス契約、財産を侵害するリスクマネジメントなどを行います。
1級から3級まで等級があり、3級は業務従事者または希望者、2級は実務経験2年、または3級合格などが受験資格です。1級は実務経験4年以上などが必要です。すべて学科試験、実技試験が実施され、1級は特許、コンテンツ、ブランドから選択します。過去問の学習で合格可能ですが、近年はやや難しくなっています。
企業内の個人情報保護に関する専門家で、個人情報を取り巻く変化に対応し、適正な取り扱いやリスク管理を行います。一般社団法人全日本情報学習振興協会が発行する資格で、職場で個人情報保護や情報セキュリティに係わるレベルを証明します。
試験問題は個人情報保護法とマイナンバー法の2つに限定され、一般的な法律関係の試験問題より馴染みやすいです。合格率は30~40%で試験も年4回実施され、受験の機会が多いのでチャレンジしやすくなっています。
マイナンバー制度を理解し、特定個人情報の保護や、適正な取り扱いをするための検定試験です。マイナンバー制度の知識が習得できると共に、研修会の講師として活躍したり、企業内で評価を受けたりすることができます。
一般社団法人全日本情報学習振興協会が主催し、1~3級があり、何級からでも受験可能です。マークシート方式で出題され、合格率は非公開ですが、3級は易しめ、2級、1級がやや易しい程度のレベルです。1級と2級、2級と3級の併願が可能です。
平成12年に成立したマンション管理適正化法によって誕生した国家資格で、マンションについての専門知識を持ちます。
マンション管理士は管理組合の運営、建物の修繕・修理への助言、住民と管理会社とのトラブル対応などを行います。管理業務主任者は契約前の重要事項説明や、記名・押印など独占業務があり、管理業者に配置が義務付けられています。
どちらも受験資格はなく、筆記試験のみでマンション管理士の合格率は約9%、管理業務主任者の合格率は約21.7%です。
主に賃貸マンションなど賃貸住宅の管理に関する知識や技能を持つ専門家です。賃貸契約、重要事項説明、管理業務、退去後の原状回復などさまざまな業務があり、賃貸管理を適正に行う役割があります。
賃貸住宅の登録業者は事務所ごとに、賃貸不動産経営管理士1名以上配置する義務があります。受験資格はなく筆記試験のみで、合格率は約48%とかなり高くなっています。
公式テキストや講習を受講することで学習を効率的に行うことが可能で、合格率を高めることができます。