介護福祉系資格で唯一の国家資格である介護福祉士は、資格試験に合格し、登録する必要があり、社会的な信頼がある資格です。
介護についての専門的知識や技術を有している証明になるため、就職・転職の際に有利で、安定した雇用が期待できます。
一度取得すれば、更新の必要はなく、全国どこの介護施設でも資格者として働けます。
介護福祉士になるルートは3つあり、受験資格を得るのに大きく3通りあります。
いずれかを選ぶ必要がありますが、学生や社会人、保有している資格、実務経験により、資格を取得するルートは異なります。
介護業務が未経験でも指定養成施設を卒業すれば、最短1年で受験資格が得られます。
一般的には介護施設で働きながら、介護福祉士の資格取得を目指す方が多いです。
介護福祉士の仕事内容は勤務先にもよります。
一般的には介護利用者の食事や入浴、トイレなどを手伝う身体介助、家事を手伝う生活援助があります。
また、家族への介護のアドバイス、福祉用具を使う際の指導なども行います。
他に職場のヘルパーに指導や助言を行い、チームリーダーとして、介護の専門家として重要な役割を担います。
サービス提供責任者や生活相談員などの配置が必要な場合、介護福祉士の資格が求められるケースがあります。そのようなケースでは介護業務だけでなく、管理職としての仕事もあります。仕事の領域が広がるとキャリアップが可能になり、待遇面だけでなく、仕事に対する考え方も変わり、職場の信頼がさらに増します。
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、サービス付き高齢者向け住宅。
また、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、デイケアセンターなどの介護施設が多く、訪問介護のケースもあります。
ヘルパーから介護福祉士の資格を取得し、訪問介護事業所を開業することもできます。
介護現場以外では介護福祉士養成施設で教員や、初任者・実務者研修、試験対策講座の講師、福祉系高校の教員の仕事もあります。
勤務先の施設の規模や形態、地域によっても給料・年収は変わります。
求人情報サイトなどによれば、基本給22万円前後の給料で、年収340~360万円程度となっています。
経験やキャリアを積めば、給料もアップします。
職場のチームリーダー候補であれば、基本給24万円以上の給料で、年収400万円以上となる例もあります。
介護福祉士の国家試験は筆記試験と実技試験の2つがあり、それぞれ試験日が異なります。
実技試験は福祉系高校卒業者、経済連携協定(EPA)による受験者のみ選択できます。
筆記試験は五肢択一のマークシート方式で、指定された11科目から125問が出題されます。
介護福祉士の資格取得の勉強は、養成施設や実務者研修で学習した内容の復習、過去問やテキストによる独学も可能です。一方で資格スクールでは受験対策講座を開講しており、合格に向けた効率的で確実な勉強を進めることができます。
費用の負担はありますが、より確実に資格取得を目指すなら、スクールの対策講座の受講が有効です。
合格基準は総得点の60%程度で、指定11科目すべてで得点することです。
平成28年度の合格率は72.1%、29年度の合格率は70.8%と7割を超えています。
平成24~27年度の合格率は60%前後で、国家資格としては取得しやすい資格と言えます。
例年、1月下旬に筆記試験、3月上旬に実技試験が実施されます。
筆記試験は全国34試験地があり、実技試験は東京と大阪の2試験地です。
15,300円(税込)
(筆記試験例題)
問題22 個人情報を使用するに当たり、本人や家族への説明と同意が不要となるケースとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 意識消失とけいれん発作を起こした利用者の個人情報を救急隊員に提供する場合
2 指定介護事業者が、サービス担当者会議に利用者の個人情報を提供する場合
3 行事で撮影した利用者の顔写真を、施設の広報誌に使用する場合
4 転居先の施設の求めに応じて、利用者の個人情報を提供する場合
5 実習生が、利用者の個人情報を閲覧する場合
(公益財団法人社会福祉振興・試験センター公式サイトより)