マンション管理士はマンションの維持や管理に関する専門知識を持つ専門家です。管理組合や住民に対し、アドバイスなどコンサルティングを行います。一方の管理業務主任者はマンション管理のエキスパートです。
管理組合がマンション管理の委託契約をする際に、重要事項を説明し、維持・管理の報告を行います。どちらも国家資格で、不動産やマンション管理業界への就職・転職に有利な資格です。
マンション管理士は管理組合側に立って業務を行いますが、管理業務主任者は主にマンション管理業者の立場で業務を行います。
また、管理業務主任者はマンション管理業者に一定人数の設置が義務付けられています。一方のマンション管理士には設置の規定はありません。それぞれ業務を行うスタンスと設置の規定に違いがあります。
管理組合費の会計監査、予算案作成、総会・理事会の運営、管理規約の改正・見直し、管理委託会社の選定・変更などです。他に大規模修繕に備えて修繕積立金の取り扱い、工事施工会社の選定や手続き、緊急補修に必要な助言もあります。
加えてマンション分譲に関する相談や住民へのアドバイスも行い、マンションに常駐している管理人とは業務がまったく異なります。主な役割はマンション管理組合のサポートと、管理組合や住民へのコンサルティングになります。
マンション管理組合は建物の維持・管理運営を行う組織ですが、業務の多くをマンション管理業者に委託しているところが多いです。管理業務主任者は管理業者として管理組合に対し、管理委託契約に関する重要事項の説明や、管理事務の報告を行います。
重要事項の説明とは管理事務の内容や、保証契約の内容、契約期間、管理費や修繕積立金など金銭の取り扱いなどに関することです。重要事項の説明と関連書類の記名・押印は独占業務で、マンション管理業者が管理委託業務を円滑に行えるようにします。
マンション管理士の就職先で有力なのは、マンション管理会社です。事業者に設置の義務はありませんが、難易度の高さから希少性があるため、マンション管理業界では評価が高くなります。マンション管理会社に就職や転職を考える際にかなり有利と言えます。
また、マンション管理に特化した不動産会社でも重宝されます。管理運営だけでなくリフォームや機械設備の知識があれば、独立開業も可能です。
管理業務主任者の就職先もマンション管理会社で、多くの有資格者が業務をこなしています。不動産会社や建設会社の系列であれば、規模が大きく、管理するマンションの数も多く、働きやすい環境と言えます。
一方、マンション管理専業の会社は、管理業務をウリにしているので、仕事にやりがいがあります。
マンション管理士の平均年収は400万円前後とされ、一般的なサラリーマンと大差はありません。ただ、年収分布は300~800万円と幅があります。資格は一つのスキルで、プラスアルファの知識や経験、ノウハウを持つことが必要です。
管理組合や住民から評価される仕事を多くこなし、良い顧客を得られれば、年収を増やすことができます。独立開業するなら他に宅地建物取引業や行政書士事務所、建築設計事務所などと併せて頑張れば、年収1,000万超えも可能です。
管理業務主任者はマンション管理会社の会社員の平均年収300~500万円で、一般的なサラリーマンと同じです。大手の不動産会社や建設会社の系列会社など、会社の規模によって年収は変わってきます。
マンション管理士と管理業務主任者の試験の内容は重なる点も多く、試験日程も連続しており、ダブル合格を目指すことが可能です。また、どちらかの資格を持っていると、もう一方の試験を受験する際に、マンション管理適正化法に関する問題が免除になります。
マンション管理士
年齢、性別、学歴などに拘わりなく、誰でも受験できます。試験合格後に登録する際、一定の要件を満たす必要があります。
約7~9%と1割以下の合格率で、一級建築士や土地家屋調査士と同じレベルです。過去問などでしっかり対策を行うことが必要です。
例年11月の最終日曜日に開催されます。
9,400円(非課税)です。振込手数料が別途必要です。
マークシート方式で50問の四肢択一式です。マンションの一棟多世帯の利害関係や、権利関係を調整する区分所有法は、民法との関連もあり、難易度の高い内容になっています。
◎管理業務主任者
年齢、性別、学歴などに拘わりなく、誰でも受験できます。試験合格後に登録する際、一定の要件を満たす必要があります。
約21~24%でほぼ7割以上の正解で合格が可能です。
例年12月の第一日曜日に開催されます。
8,900円(非課税)です。振込手数料が別途必要です。
マークシート方式で50問の四肢択一式です。
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