【介護職員初任者研修】資格の概要・試験難易度を解説。独学で合格できる?

介護職員初任者研修,働きながら

介護職員初任者研修は2013年の4月の制度変更に伴い、ホームヘルパー2級から変更になった名称です。旧ホームヘルパー2級と同じく、介護の基礎知識やスキルを評価する入門資格という位置づけです。

 

ただし、旧ホームヘルパー2級と変更になった部分がいくつかあります。以前はカリキュラムを修了することで資格取得ができましたが、介護職員初任者研修は修了後、筆記試験に合格することが必要です。

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の試験自体は、授業内容がしっかり理解できていれば、ほぼ合格できますし、万一不合格でも追試制度を利用できます。また、デイサービスや訪問介護の施設で約5日間、30時間の実習が廃止され、代わりにスクーリングの授業時間が増えています。

 

そのため、以前より通学時間が増え、通信教材による自宅学習の時間が減少しています。介護職員初任者研修の時間数はスクーリング90~94時間、自宅学習36~37時間が目安です。

 

他に新たな受講科目として「認知症の理解」が追加されています。介護現場でも認知症介護実践研修が行われており、カリキュラムに追加することで対応できる人材の確保を目指しています。

 

ちなみに介護職員初任者研修の応用編の資格として、介護職員実務者研修があります。初任者研修より専門的な知識の習得を目指しており、学習カリキュラムや受講料に違いがあります。

 

介護職員初任者研修を受験する人

研修の受講には学歴や年齢、資格の有無、実務経験などの条件を問わないので、ヘルパーとして働きたい方が挑戦しやすい資格です。介護職員実務者研修も未経験で資格無しで受講できるので、実務者研修からいきなり始める方もいます。

 

ただ、カリキュラムも試験も一定の基礎知識を前提としているため、介護初心者は一般的に介護職員初任者研修の受講から始めます。研修実施校によっては、介護職員初任者研修の修了が受講の条件になっているケースもあります

 

ある研修実施校の受講者の調査結果を紹介します。
受講者の性別は女性65%、男性35%と女性が多いのは、女性の要介護者が多く、女性が活躍しやすい職場だからと考えられます。

 

年代別では40代が33.6%、50代が25.1%、30代が19.2%、20代が14.0%と年齢層は幅広いです。

 

受講するきっかけは就職・転職のためがもっとも多く43.1%です。次に介護職員としてスキルアップのため、働きながら受講する方が20.3%、将来のための資格取得が17.3%です。家族の介護のためという方も10.1%あります。

 

介護職員初任者研修に合格した人の就職先

介護職員として高齢者介護施設に就職することができます。特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど入所型、デイサービスなど通所型、居宅介護支援事業所など訪問型に分かれます。

 

また、介護施設だけでなく、病院や診療所などの医療機関で、医師や看護師の指示の下、院内ヘルパーとして勤務できます。介護や医療の仕事でなくても、百貨店やホテル、飲食店など高齢者が買い物や食事などのサービスを受ける職場でも役立ちます。

 

就職のためではなく、自分の家族の介護や地域の高齢者へのボランティア活動にも役立てることができます。

 

介護職員初任者研修の資格の概要

130時間の研修カリキュラムが修了した後に1時間程度の試験が実施されます。研修実施校にもよりますが、通常は選択式と記述式による出題で32問以上あります。国家資格の介護福祉士のように、受験者を選抜して合格者を決める試験ではありません

 

授業内容がしっかり身に付いているかを確認するための試験です。また、多くの研修実施校で無料の追試を行っているので、事前に追試の有無を確認しておくと安心です。

 

受験資格

学歴や年齢制限などの条件はありません。ただし、試験もカリキュラムも日本語のみで作成されているため、日本語を理解していることが必要です。

 

合格率

筆記試験は問題用紙と解答用紙が回収され、合格率は公開されていません。合格点は100満点中70点以上ですが、受講者のほぼ全員が合格できる試験です。

 

課題レポートで間違いが多い、受講中に重要ポイントをチェックしない、復習を全然しない方でない限り、問題なく合格できます。

 

試験日

各研修実施校により、通学形式か通信形式によっても開講日と修了日が異なるため、試験日も研修実施校のカリキュラムによります。

 

受験料

それぞれの研修実施校が任意に設定しています。研修と筆記試験まで含めて6~15万円程度が相場となっています。また、雇用保険の給付金制度の助成金を利用し、費用の一定額をハローワークから受け取ることが可能です。

 

時期によってはハローワークが無料で受講できる研修を紹介してくれるケースもあります。

 

研修実施校が運営する高齢者施設やデイケアセンターに勤務することを条件に、無料で研修・試験が受けられるケースもあります。

 

逆に無資格の介護スタッフが働きながら、資格取得できるように、施設側が助成金として受講料の一部を負担するケースもあります

 

出題内容

研修カリキュラムの内、8項目の32科目から出題されます。項目は「介護における尊厳の保持・自立支援」、「介護・福祉サービスの理解と医療との連携」など実務に即した内容です。

 

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